時がたつのははやいもので、雪華はこの春から高校1年生になる。
あれから慧典には一回も逢えてないんだよね。ま、そんなドラマみたいなことないない。
「雪華―!またクラスいっしょやねえ!!!」
みこが手をふってくる。
みこは中学のときからの親友。なにかと一緒にいてくれるいい子なの。
「きゃー!めちゃうれしいい!!!!みこーーーーーーぉぉぉっ」
「雪華きもッ!」
「みこひどっ!!!!!!ww」
笑ながら教室にはいる。こういう日常がありがたい。
「雪華席、はなれちゃったね。残念!」
「あ、ほんまや」
そっか、あたしちんぜいで、みこはあおまだから、はなれちゃうのか。
残念。
ま、仕方ないか。休み時間は普通に話せるしなあ。
なによりここ、いちばん後ろでいいんだよねー!
席替えとかしたくない!


キーンコーンカーンコーン
「みんなーそろってるか?じゃあ、第一回目のHRはじめるぞー
まずは自己紹介からだなー。名前と出身中ぐらいだなー。じゃあ青間からだなー。」
みこからだ。
ってかみんな高校生ってかんじだなあ。おとなっぽい。
身長も、体格も。
あたしのとなりはー.....座ってるからわからんわ。立ち上がったらみておこう。
がたっ。
あ、隣の人だ。あんまり変な人じゃないほうがいいなぁ。絡まれたらやだし。
「小尾里中学校出身、春山慧典!みんなよろしゅうなぁ」
...........ぇ?い、今春山......けいすけって言った.....?
あたしは反射的にさっき配布されたばかりのクラスの座席表を手に取る。
け.....慧典ってかいてある....。字はわからないのに、なぜだか直感であの時の慧典だと思った。
あっ、あたしの番だ。
「幕中東中学校出身、鎮西雪華です。これからよろしゅうですっ。」
「え?」
............................ .............ぇ?