「友達ができないことを、コンプレックスに感じだしたというので、由美がまた俺に相談してきたんだ」
「ああ・・・」
「俺は、その頃には由美が謙遜をしないせいで煙たがられているのは分かったから、大人しくするように言ったんだ。性格なんてすぐには変えられないから、せめて口調とか丁寧にしろって」

足立くんは、よどみなく語る。
頭の回転が速いからなのか、もしかしたら話し慣れているのか。

「そうしたら、見事に暗そうなキャラになった。友達がいないという一点においては自信を失ったわけだし、周りの反応とか今更気にしだしたし、おまけに本の読み過ぎで眼鏡をかけだした。こうなると典型的なガリ勉少女だ」
「・・・・・」
「だから、あいつが人間関係に失敗してるのは、だいたい俺のせい。少し、責任とか感じてる」
「・・・・・」

足立くんは、妙にしおらしかった。
あげくの果てに、私に絡んできたのは実際のところ、私が遠距離から渡部さんの存在に目を付けた点に着目して、どうにか交流させたいと思ったからだという。
なんということだ。
そんなのーーーー

「・・・・浅野?」

そんなのーーーー

「ふっ」

私は、足立くんと目が合うと、たまらず吹き出した。