何とか首を締め上げるそれをほどこうとするものの、肌に食い込んでほどけるようなものではない。

「ぐ…あぁぁあっ…!」

息が、できない。

意識が遠のく…!

容赦なく首を締め上げられ、私は立っている事さえ出来なくなっていた。

その場に跪き、ガクガクと体を震わせる。

このまま敵の正体も見極められぬまま、絞殺されるのか。

「む…無念…!」

小さく呟き、屈辱に歯噛みする。

その時。










「何だ、もう白旗か。意外と簡単に諦めるのだな」






そんな声が聞こえた。

同時に。

「!!!!!」

まるで落雷のように。

天より降ってきた槍が、私の首に巻きついていた何かを一撃で断ち切る!!

「くっ…がはっ!ごほっ!」

絞殺刑を免れ、一気に酸素を取り込み、私は咳き込む。

そして、槍の飛んできた方向に視線を向けた。

…ここまでの寸分違わぬ槍の投擲が出来る者は、この国に一人しかいない。

「礼を言うぞ、紅…!!」