その後、兵士からの話を聞いて、私はすぐに城下町中央の噴水広場へと駆けて行った。

既に広場には紅と、数人の女神兵が集まっていた。

「遅くなってすまない」

そう言って、私は輪の中へと入る。

「……」

紅は無言で私を見る。

「乙女、待って下さい、ここからは…」

女神兵の一人が、躊躇うように私に言う。

…彼らのまとっているエメラルド色の甲冑の輝きが、どこか鈍って見えた。

兵自身の不安を表すかのように。

「ご覧になられない方が…」

その言葉が、私を気遣ってのものだという事はわかる。

しかしこの国を預かる立場として、状況は把握せねばならない。

それが。

「う…」

一人の女神兵の、ギロチンにかけられたような無惨な死に様だとしても。

…気丈に振る舞うつもりだったが、あまりに凄惨な光景に思わず口を塞いでしまう。

「乙女」

紅が私の肩を抱いた。

「遺体の処理は女神兵に任せて、俺達は向こうで話そう」

その気遣いは、素直に嬉しかった。