涙ながらに訴える女性の願いを無碍にする訳にもいかず、私はとりあえずその槍を引き取る事にした。

「……」

女性が帰った後、私は玉座の肘掛けに頬杖をついたまま溜息をつく。

一国をも滅ぼすとも言われる呪われの魔槍、か…。

「聞いていたのだろう?紅」

謁見の間の扉の向こうに声をかける。

「…ああ」

扉を開け、紅が入ってきた。

「どう思う?」

私は紅の意見を聞いてみる事にした。