それから1年が過ぎた。

なんの問題もなくハクも順調に育ち、鍵

尻尾も健在である。

ハクがきてからの1年、我が家は一つになった気がする。

ハクが可笑しな行動をとればみんなが笑った。

落ち込んでいる時にハクがそばに来ると自然と笑顔がこぼれた。

甘えてくるハクをみんなで撫でて、可愛いねって笑いあった。

ハクが少し元気をなくせばみんなが心配そうに顔を覗き込んだ。

今ではハクがいないことが考えられない生活になっていた。

玄関を開ければハクが必ずいた。

母親に聞くと、咲夜が帰ってくる頃に必ず玄関に向かい、じっと帰りを待っているのだという。

それは咲夜に対してだけだった。

それを聞いてもっと愛着が湧いた。

幸せだった。

この生活がずっと続くと思っていた。