「なにバカなことを言ってるんだ!」







紗南の部屋からレンの怒鳴り声が響く。
一行は、さっそく紗南に事の流れを説明した。
悪魔の目的を探るために旅に出ること、それは紗南を守るために必要な旅であること。
その成り行きでは、もしかしたら悪魔側との争いも起こる可能性はあるということ。






それを、静かに聞いていた紗南だったが、最後まで聞いた後紗南の口から発せられた言葉は誰もが耳を疑うものだった。










「紗南さん!?それ、本気で言ってるんですか!?」

「本気よ!本気で、私もついて行くって言ってるの!」






そう。
その話を聞いた私は迷うことなく自分もついて行くと言ってのけたのだ。
まさか予想外のセリフに一行は動揺を隠せない。







「一人になるのは嫌!この世界には誰もいないのよ!」

「子どもみたいなことを言うな!遊びじゃないんだ」

「そんなこと、わかってるわよ」

「わかってない!死ぬかもしれないんだぞ!」






レンは行き場のない怒りを拳に乗せ、机を強くたたきながら叫ぶ。







「それでも!私は一緒に行きたい。寂しいからだけじゃない、私が戻る方法を探しに行きたいの。旅をしていれば、どこかでヒントがあるかもしれないでしょ?」

「お前が戻る方法なら、俺たちが探す。心配するな」

「……いやなの。もう、国民のみんなが恐怖におびえる姿を見るのは。私のせいで、みんなの平和を壊したくない」








自分をあれほど歓迎してくれたからこそ、姫の任を遂行売ることの覚悟もできた。
ならば、姫としてできることをしたい。