夢を見た。
追いかけられる夢。
見たことのない化け物に、ただひたすらに追いかけまわされる。
誰もいない。
なにも見えない真っ暗な闇の中を逃げる。
助けて
助けて
誰か…!
「いやぁ!!!」
パチっと開いた瞳に映ったのは、見覚えのある天井。
でも、ここは私がいた部屋とは違うみたいだ。
少し鼻にかかる消毒液の匂い。
「紗南さん!」
そう駆け寄ってきたのはソウシ。
そして、リュウの姿も…。
「あ…みんな…」
「大丈夫か?うなされてた…」
「あ…」
リュウが心配そうに言う。
そっと目元に触れるとぬれていた。


