「私、どうしたらいいかな…」
口から出たのは、そんな問いかけだった。
「…なにがだ」
「なにがって…。昨日の王様の話…」
「……お前は、どうしたい」
「どうって…。それが決められないから聞いてるのに」
「俺が決めたらそうするのか?」
顔を上げると鋭い視線のレンと目が合う。
その視線に、私の方が反らしてしまう。
「でも、どうしたらいいのかわからないの…」
「それは、紗南が決めることだ」
「なんで?」
私は声を荒げる。
どうして?
「どうしてレンは、そんなに平気そうなの?」
「どういう意味だ」
「私はこんなに悩んでるのに!私が、救いの姫としてここに残るってことはね!」
ああ、もう嫌だ。
こみ上げてくる。
「見たことも、話したこともない、王子と結婚するってことなんだよ」


