「ぐあああああああ!!!」





魔王は雄叫びをあげ、苦しみだした。
よかった、私の狙いはうまくいったみたい……。


放された手から下へと落下していく。
ネックレスの力でどうにかしないと…。
そう思うのに、力が入らない…。







「紗南!」





私を受け止めてくれたのは、レンだった。
身体に力が入らない。
力を流しすぎたせいなのか。





「ごめ…レン…」

「大丈夫か?」




あ、怒らない…。
いつもなら、無茶はするなって怒るのに。
そっか、レン言ってたもんね。
私のしたいようにしたらいいって。





「力…流しすぎちゃったみたい…」

「ああ。よくやった。…少し休んでおけ」






レンはそういうと私を隅の方に運ぶ。
できるだけ安全な場所にという配慮からだろう。






「レン…」

「…ああ。早く終わらせよう」




レンが優しく微笑んだ。