それにしても、仕掛けは施してあるのに、悪魔の姿は一向に見えない。
待ち構えていて襲ってきてもいいのに。
「…お前たちなんか、魔王一人で十分だ」
「え?」
「そういうことだろう」
私の心を見抜いたのかロイドがそう言い放つ。
じゃあ、魔王一人で私たちを迎え撃つつもり?
確かに、それ程強い力を持っているとは思うけど。
手下に戦わせず自ら戦うというの?
「ならば話は早い」
「ええ。聞きたいことは山ほどありますからね」
戦闘態勢のみんな。
ピリピリとした空気が走る。
エリサちゃんの状態も心配だ。
ロイドが逃げたことがばれているってことだから、もしエリサちゃんの関与がばれていたら…。
どうにかうまくごまかしていてくれてたらいいけど…。
「エリサのことは心配するな。俺たちの問題だ」
「でも…」
「下手な同情はいらん。自分たちのすべきことに集中しろ。死ぬぞ」
「…わかった」
そうだよね。
エリサちゃんは、ロイドがいる。
ロイドだって強いんだから。
ガチャ
その時突然真下の床が抜ける。
「え、きぃやあああああああ!!!!!!」
私たちはその下へと落ちていった。


