父親を見限ろうとするエリサと、父親に認めてもらいたいロイド。





「それでも、私は…兄ちゃんを助けたい」

「そっか…」





私も。
そんな場所からロイドを助けたい。

どれが正しいのかなんてわからない。
エリサちゃんの正義と、ロイドの正義。
そして、私たちの正義。

それはそれぞれに違うのだから。
悪魔と人間だからじゃない。
一人ひとりが違う存在だからこそ、考え方は何通りもある。
それぞれに正解は違うのだ。





「こっち」






エリサちゃんに連れられ、再び悪魔の大陸へやってきた私たち。
来た道とは違う道に入っていく。
それでも、エリサちゃんがそっちだというのだからそうなのだろう。
私たちはおとなしくついて行く。






「あたしと手を繋いで」

「え…」

「一人でもいい。それから全員が繋がるように手を繋いでいて」

「うん…わかった…」




私たちは顔を見合わせ手を繋ぐ。
最後に私とエリサちゃんが手を繋いだ。




「…男と手を繋ぐなんて、気持ちが悪いな」

「同感」




レンとリュウがげっそりした顔をする。
ソウシとミナトも苦笑してる。
傍から見ても、なんとも言い難い光景だ。






「黙ってついてきて」






エリサちゃんが先に進むのについて足を進めた。