「どういうことだ」

「あたしだって知らないよ!あんたたちならと思ったのに役立たず‼︎」

「なんだと⁉︎」





睨み合いが始まる。
この二人は、相容れないようだ。





「どうするんだよ!そんなチンケな剣で魔王さまに勝てると思ってんのか!?」

「やってみないとわからんだろ!」

「わかるよ!お前バカか!」




ま、負けてない…‼︎
口げんかでレンが押されてる…!
そんな珍しい光景に止めるのも忘れまじまじと見入ってしまう。





「無意味な言い合いはそこまでにして考えましょう。ここでうだうだしている時間はないはずですよ」

「…ちっ」

「なんだ、話がわかる人間もいるじゃないか」




そんな二人の間をとりもったのはソウシ。
確かに、今のロイドの状況を考えたら急がないといけないだろう。



「でも、どうしたら…」

「とりあえず今回はロイドの救出だけを目的にするっていうのは?」

「だけを?」

「ああ。そのあと、魔王の討伐に向けての準備をする」


ミナトの案にみんなそれぞれに考え込む。



「確かに、同時進行は無理があるだろうが、もし、途中で見つかり魔王との戦いになることもある」

「そうなった時、ミナトの案だとその時に対応ができません」





リュウとソウシも悩んでいる。
いい案がなかなかでてこない。

私は戦いに関しては無知だから口出しできないけど…。
なにかいい手はないのかな…。


考え込むながら剣に手を伸ばす。
何も考えずただなんとなく引っ張ってみる。




「…え……?」





カポ、そんな音を立て剣が何の抵抗もなく抜けたのだ。






「あ、あの…抜けちゃったんだけど…」