悪魔の大陸へ渡る橋を通り私とみんなが出会った場所まで馬でやってきた。
ここからはずっと一本道のはずだ。
私はロイドにただひたすらまっすぐに行けと言われた。
馬の操作なんてわからなかったし、そもそも泣きじゃくっていたし馬はただひたすらまっすぐ歩いていた。
「どうして悪魔の大陸ってこんな不気味なんだ?」
「ミナト、怖いの?」
「は!?怖くなんてないって!紗南ちゃんこそ!」
「私は、平気だよ」
辺りを見渡すミナトにカマをかけると慌てる。
実は本当に怖いんだったりして。
それにしても、本当に不気味だ。
晴れているはずなのに辺りは薄暗く、まるで夜のよう。
時折鳴くカラスのような鳴き声がさらに不気味な雰囲気を醸し出す。
「紗南さん、どれくらい進んだか覚えていますか?」
「え…と…」
ソウシにそう問いかけられ思い出そうと考える。
あの時は本当に気が動転していたし、全く覚えていない。
でも、そんなに長い時間ではなかったように思う。
それに、馬もトボトボ歩く程度の速度だったからそこまで進めていないはずだ。
「30分くらいトボトボ歩いたくらいの距離…かな?」
「…そうですか」
私が大体でそう答えるとソウシは少し考え込む。
どうか、しただろうか。
「おかしいですね」
「ああ」
ソウシは、確信したように呟く。
それにレンも頷き同意した。
おかしい?


