「紗南さまの身の安全を、お守りするのが我々の任務です。お任せください」
ソウシがそう言って一礼し、それに合わせて他のみんなも一礼する。
それに私はドギマギしてしまう。
「あ、頭あげてください!てか、さま付けとか、私慣れてないしやめてください!」
「ですが・・・」
「本当に!それに、私姫って言っても期間限定なんで」
そうよ。
かっこ仮、みたいなもん。
だから、そんな風に様付けで呼ばれたりチヤホヤしてもらう理由ないの。
「じゃあ、紗南ちゃん‼︎」
「ミナト‼︎」
「え、だって!」
「それでいいってか、それがいいです‼︎」
お姫様扱いなんて勘弁‼︎
憧れは憧れのままがいいのだと、痛感。
「あ、あの、私、外に出てみたいんだけど・・・」
「外ですか・・・」
レンに断られたけど、この人たちなら・・・。
でも、ソウシの表情は少し困惑の色が見えた。
「あの・・・」
「今、城外に出るのは少し危険なんです。ですから・・・」
「ダメってこと?」
「すいません。ですが、少し落ち着けば、我々も護衛にあたれるのでそれまでお待ちいただけますか?」
とても申し訳なさそうに言われ、何も言えなくなってしまった。
あのレンとは大違いだわ。


