「…うぅっ…っ…」






馬の背中に泣き崩れ、次第に止まりかけている馬。
泣きすぎて息がうまくできない。

息が苦しい。
体中が痛い。








「紗南!」







そんな私の耳に飛び込んできた懐かしい声。
私はゆっくり顔を上げた。
涙でぐちゃぐちゃの顔を上げると、懐かしい顔ぶれ。







「紗南さん!無事で!」

「紗南!よかった!」

「紗南ちゃん!」

「…紗南」





どこかで調達したのか、馬から飛び降り駆け寄りながら口々に言う。
皆の心配していた顔が並んだ。
みんなを見て私はこみ上げてくる涙を隠しきれない。





「う、うわぁぁぁぁぁ―――――!!!」






レンに抱きつきながら泣きわめく。
なんてかっこ悪い姿。
レンは戸惑いながら私を抱きとめる。