「認められたいだけだ」

「え…?」

「父親に」





父親…?
ロイドのお父さんに認めてもらいたいから?
それって、どういう…。







「なんでお前にこんな事話してるんだ…」

「ありがとう」

「礼を言われる筋合いもない」






ロイドの表情が少し曇ったように見えたのは私の気のせいだったのだろうか。
ロイドは変わらず前を向き歩いていく。

ドンドン登っているということは、私は元の道に戻ってしまっていたってことなんだろう。
もしかしたら道の先でレンたちに会えるかもしれない。







「…お前は、異世界から来たんだろう」

「あ、うん…」

「なぜこの世界にそこまで首を突っ込む」

「首を突っ込んでるつもりはないんだけど…」

「この世界のいざこざなんて放っておけばいいだろう」

「でも、出会ってしまったから。知ってしまったから。放っておくなんてできないよ」






大好きな人に出会えた。
大切な仲間に出会えた。
その人たちの住む世界の事だもん。








「他人事には思えない」





それは、お人よしだろうか。
ロイドの表情を見れば、きっとそうなんだろう。
わざわざ危険に足を突っ込む私の行動は、傍から見ればおかしいことなのかも。


大好きな人がいる。
それは、十分足を突っ込むだけの理由にはなるはず。