私は、続けて血をふき取り傷口をきれいにする。
そこにガーゼを当て包帯を巻いていく。
羽の手当の仕方なんて知らないから、これでいいのかわからない。




「…お願い」





手当を無事に済ませ、様子を見ていると血も止まったみたいだった。
ホッと肩を下ろす。



どうして、助けてるんだろう。
レンたちが知ったら怒るだろうか。





敵なのに。





悪魔と人間。
どうしてこんなにも敵対してしまうんだろう。

悪魔が人間を襲うから?
ならどうして悪魔は人間を襲うんだろう。




悪魔にも、人間と同じように意思があるようだ。
襲ってくる悪魔たちにも、皆目的があった。
闇雲に襲ってきていたわけじゃなかった。


それは、悪魔がただ凶暴で凶悪で手が付けられない悪なわけじゃないってこと。
訳も分からず人間を襲い恐怖に陥れているわけじゃない。



だからこそ、恐ろしい存在なのかもしれないけれど。




でももしかしたら、話せばわかりあえるかも。
そんな簡単ではないかもしれないけど、歩み寄ることはできるかもしれない。





ロイド。
彼だって、少し姿かたちが違うだけ。
私の事を、かばってくれた。
それが、自分の目的のためだとしても。







それは、ロイドの優しさだと思うの。
そう思うのは、私の甘い考えなのかな?