私たちは、ペンダントの力で無事着地できた。
咄嗟に、マットになるように祈りを込めたらとっても不恰好なマットが出来上がり私たちを守ってくれたのだ。
まだまだ咄嗟にペンダントを使うのは難しい。
集中力が足りないんだろう。





身体を起こすとロイドの様子を見る。
ロイドは気を失っている様だった。
血を流しすぎたんだ…。







「場所をうつさなきゃ」







ここにいたら悪魔に見つかってしまうかもしれない。
どうにか隠れなくちゃ。





「あ、あそこ」





辺りを見渡し、洞窟を見つけた。
そこまでロイドを引きずっていく。
大人の男の人を動かすのは結構力がいる。
それでも、必死に引きずって何とか洞窟まで運んだ。



傷だらけの羽。


それを見せないために落ちた瞬間羽をしまったの?
きっと、かなりいたかったはず。
かなりの出血量だ。





すっかり外は火も落ち暗闇だ。
怖い、なんて言ってられない。
灯りをつけなきゃ。
灯りがないと暗くて手当もできない。

私は鞄の中からランプを取り出した。
山越えのためにとミナトが用意してくれていたのだ。




そのランプをつけると一気に明るくなる。
私の世界のランプよりもずっと広範囲を灯せるランプはとても便利だ。





「あとは…」





飲み水用に入れてあった水筒とタオルを取り出し、タオルを水で濡らした。
それで傷口をそっと拭く。
いたむのか顔をゆがませるロイド。