「きゃあああああ!!!」





突き飛ばされ落ちていく身体。
その私の手をロイドが空中で掴む。

バサッバサッと羽音を立てて。


ロイドの表情がゆがむ。
苦痛にゆがむその表情に不安を覚える。





「あ、あんた…そのケガ…!」





ロイドは、羽に大きな傷を負っていた。
赤く染まった羽からはポタポタと血が滴る。
もしかして、最初に落ちた時に怪我していたの?
だから、飛んで移動できなかったの?


なんでそんなこと黙ってたの!




ロイドは私を支えて飛ぶのが精いっぱいで、それも限界に近いようだった。
このままじゃ、血を流しすぎて死んじゃう!




「放してっ!」

「…せっかく、手にした姫を…放すかよ」

「そんな事言ってる場合じゃ!あんた、死んじゃうじゃない!私を持って飛ぶ力なんて、残ってないんでしょ!?」

「…はっ、お前はつくづくバカだな…。俺が放せば、お前は死ぬ」








そんなこと、わかってる。
でも…。
でも、私にはペンダントがある。
もしかしたら、その力をうまく使えたら可能性はないわけじゃない。





「バカバカ言わないでよ!いいから、放して!」

「うるせぇ」






ゆっくり下降していく。
でも、遂に限界が来たのかロイドの力が抜けそのまま落下していく。







絶対に、死なせない。
絶対に、死なない。





皆にもう一度笑って会うんだから!