レンの手がそっと伸びてくる。
その手は私の頬に触れる。
まっすぐと私の瞳を見つめるレン。
私は身動き一つとれずに…。
「レン…」
レンはなにも言わない。
親指が頬を撫でる。
暖かな眼差しが私を見つめる。
どうして、そんな目で見てるの?
その瞳の奥で何を思うの?
「お前は…本当に目が離せない」
「え…?」
「目を離せば何処かに消えてしまいそうだな…」
距離がグッと近づく。
胸のドキドキが止まらない。
いったい、どうしちゃったの⁉︎
「レ、レン…?」
「もう、誰も愛さないと決めていたのだ…」
「え……?」
ふ、と影ができる。
え?と顔を上げた瞬間、唇に柔らかい感触。
キスーーーーー…!
唇が離れる。
私は身動きも取れず、固まったまま。
「好きだ」
「え…」
「お前が、好きだ」
レンの声がこだまする。
好き…って、私のこと?
「レン…」
「お前を、放したくない」
まさか、だって。
うそ。
だって、レンは今でもユリアさんのことが忘れられなくて。
私の入る隙なんてないって思ってた。


