地下から抜け出してくると、皆が呆然と立ち尽くしているのを見つけた。
どうしたんだろう…。
助けを呼びに行ってくれていたんじゃなかったの?



「みんな、どうしたの…?」

「…あ、ううん。紗南ちゃん、リュウ、よかった。出てこれたんだね」

「ああ。これのおかげでな」





リュウがそう言って武器を見せる。
私たちの思い通り、武器は私のネックレスと同じ原理で発動した。
ちょうど引き金を持つと握る部分にネックレスと同じ石がはめ込まれてあった。
そこを握り攻撃のイメージをして、念じることで発動したのだ。
その武器を使ったのはリュウ。
私にはさせたくないとリュウが買って出てくれた。




「この武器、紗南のネックレスと同じ原理で発動するらしい。すごい武器だぜ」

「そうか…。それは、リュウ、お前が持つといい」

「レン…?なに言ってんだよ。これは、隊長のお前が持つのが自然だろ」

「お前の故郷に伝わる武器だ。お前が持つのにふさわしいだろう」




レンはそう言うとその話は終わりというように視線をはずした。
レンの優しさなのだとわかる。
リュウもそれ以上なにも言わず、その武器をしっかりと抱えた。




「それじゃあ、村に戻りましょうか」

「ああ」





私たちは気を取り直して歩き出した。
無事戻ってこれてよかったと思う半面、皆の様子が変なことが気になっていた。
少し落ち込んでいるような、空元気な雰囲気。
いったい、何があったんだろう。






「…誰だ?」






レンの声にふと前を向くと、馬に乗った団体がこちらに向かってやってきてた。
仰々しいその雰囲気に少し圧倒される。