「貴様…!」





レンたちがお堂から外に出るとそこに待ち受けていたのは、ロイドだった。
因縁の相手に、一同戦闘態勢を取る。





「なんだ、てめぇら生きてたのか。運よく生き埋めにでもなってくれてたらよかったものを」

「なんだと!?」

「これは、あなたの仕業ですか!?」

「当然だろ」




シレッと当たり前のように告げる。
その余裕を見せる態度にレンは苛立ちを隠せない。
前回ボロボロに負けてしまっているのだ。





「貴様、絶対に許さん!」





レンは一目散に剣を取り出しロイドに斬りかかる。
ロイドは簡単にそれをかわして見せる。
しかし、辺りを見渡すがロイド以外の悪魔の姿がない。
一人で来たというのか…。




「今日は別にお前らと戦うために来たわけではない。ここに隠されていた宝をもらえればそれでいいんだがな」

「なに…?貴様に渡すわけがないだろう!」

「お前らが持っていても、使い方がわからないだろ」






ロイドは飄々としながらそう言う。
使い方。
確かに、あれは見たことのない武器だった。
ロイドなら使いこなせるというのか。




「その宝も、あの女も、利用価値のわからないお前らが持っていても無駄なだけだ。さっさとこちらに渡せ」

「あの女って、紗南ちゃんの事かよ!利用価値だと!?紗南ちゃんをなんに利用するつもりなんだ!」

「お前らにはあの女の価値がわからんか。残念だな」





貶すように鼻で笑う。
殺伐とした空気が流れていた。