「でも、カノンさんは、リュウを責めている風じゃなかったよ」
「…ああ。あいつは優しいからな」
「ちゃんと、リュウの口から話してあげて。離れていた間の事…。今のリュウの気持ち」
「ああ…」
リュウも、きっとカノンさんの事大切に思ってる。
それが恋なのか、どういう感情なのかまではわからないけれど。
カノンさんの事を話すリュウは、とても穏やかな顔をしている。
きっと二人は大丈夫なのだと。
二人の離れていた時は、埋められると、私は確信した。
「…なんだか、息苦しくない…?」
「え…?」
話しているうちになんとなく息苦しさを感じ始めていたことに気付いた。
「もしかして、空気が薄くなってんのか…?」
「えっ…?」
「岩で完全に塞がれてしまったのかもしれない…」
「そんな…!」
それって、どうしたらいいの?
空気がなくなってきているのなら、それってとても危険な状況なんじゃ…。
私は不安に駆られる。
「レンたちの助けを待っている時間はないかもしれないな…。どうにか出る方法を考えねぇとな」
「でも、どうやって…」
岩をどかすことなんて、きっと無理。
でも、私のペンダントなら…。
「私がこのペンダントを使って…」
「ダメだ」
「え…?」
「それ、気力をかなり使うんだろう?こんな岩どかしたら紗南の身が危険だ」
「でも…!」
「それに、前言ったろ?俺だって紗南がそのペンダントで戦うことは反対だって」
確かに、そう言われた。
でも、そんな事言ってる場合じゃないはず。


