レンがいない。 助けて。 助けて。 叫んでも届かない場所に彼はいるのだから。 私を守ってくれる人は、ここにはいない………。 でも…… 「助けてっ!」 叫ばずにいられなかったんだ。 男の高笑いの中、一瞬聞こえた気がした。 「当たり前だろ」 そんな、いつもの憎まれ口が。