私が身元を明かしたことにより連絡が行き、すぐに両親が駆け付けた。
お母さんは目を赤く腫らし疲れ果てた姿。
その姿に困惑する私。





「お母さん…?」

「よかったっ!無事で…無事で、本当に良かった!」

「心配したんだぞ?山登りで崖から落ちてそのまま行方不明になって…何度も探したけど見つからなくてな…」

「お母さん…お父さん…」







そんなにも心配かけてたんだ。
そうだよね…。
急にいなくなって心配しないわけないよね。
二人の姿に胸が熱くなる。






「ごめんなさい…」

「1週間も見つからなくてもう、だめかと思ってた…。だから、本当にうれしいのよ」

「え、一週間?」







お母さんの言葉に耳を疑う。
一週間って?
そんなはずない。
ふた月は絶対に行っていたはずなのに。




時間の流れが向こうとは違うのかしら?







「それにしても、財布も何も持ってなくて、服も変な服を着ていたって聞いたけど、どういうことかしら?」

「…さあ?私も、覚えてないの…」






二人にはごまかすしかないと思った。
たとえ言ったとしても信じてもらえないだろうし、必要以上に心配かけたくない。