「戻って…来たんだ…」






落胆、そんな色の滲む声で呟く。
どうしてだろう、あんなのにも帰りたくて仕方なかった世界。
その世界に帰ってきたはずなのに。




嬉しくない。







レンと出会わなければよかった。








そう思ってしまったから?
だから、本当に夢のように覚めてしまったの?







もしかして、本当に夢だったんだろうか……。







そっと胸元に手を当てる。
そこには確かにあのネックレスが下がってる。









そして、ベッドを振り向くと、ベッドの側の引き出しの上にレンがくれたバレッタが置いてあった。
夢なんかじゃない。
確かに、レンはいた。
皆は、いたんだ。








私、帰ってきてしまったんだ………。