「レン」

「なんだ?」

「私、幸せ」

「はは、急にどうした?」






二人はより添い、ユリアはレンの方にもたれかかっていた。
レンは愛おしそうにユリアの頭をなでる。






「今まで、私の世界は暗闇だったの。ずっと一人だった。お兄ちゃんはいたけれど、お兄ちゃんはいつも忙しそうで」

「ああ」

「私はこの部屋から一歩も外に出れなくて…。でも、レンに出会ってすべてが変わったのよ」





ユリアは晴れ晴れとした表情で続ける。







「私の世界に光がさしたの。今迄みたいに部屋にいても、今までとは違う。とても、明るいのよ」

「そうか」

「ええ。レンに出会えたからよ。レンがいてくれるから。レン…」








ユリアがそっとレンの頬に手を伸ばす。








「レン…大好きよ…」









その言葉は、レンの中に強く響いた。
自分の中にもどんどんユリアの存在が大きくなっていくのを感じる。




救われているのは、自分かもしれない。