私たちはセリムの案内で、私が間違えて入った部屋に連れてこられた。
ピンクを基調とした女の子らしい部屋。
ベッドわきにはぬいぐるみ。



棚の写真立てを手に取りセリムは小さく微笑んだ。







「…その写真の女性がお姫様?」

「ああ…。ユリアというんだ」







愛おしそうな瞳で名を呼ぶ。
お姫様、ということはセリムの姉妹なのだろう。





「私の妹だ」







目元が何となくセリムに似ていた。
綺麗に整った顔。
上品さが漂う笑顔。









「でも、もうユリアはいない」

「え…?」

「ユリアは、死んだ」










セリムの声が切なく響く。