私たちが次にやってきたのは、エリシア王国の中心部で、国名と同じ名前のエリシアという町だ。
ここには、エリシア国の国王が住む城があるらしい。
「とてもいい町ですよ、ここは」
「そうなの?」
「ええ。とても穏やかで、この国をまとめる王の気質がそうさせるのでしょうかね」
「王様?どんな人なの?」
ルネス王国のウイリアム王は少し厳しさを秘めた優しい人だった。
王様って、あまりイメージわかない。
「穏やかな方ですよ」
「…ただの変人だ」
「こら、レン。言い方を」
ソウシとの話に水を差すレン。
なんだか、うんざりした顔。
「レンはセリムさまが苦手なんですよ」
「セリムさまっていうのがその王様ね」
「ええ。セリムさまは25歳にして王位を継承されたどの国よりお若い王なんです」
「へえ!」
おじさんとか、おじいさんをイメージしていたけど、そんなに若いんだ。
私たちとそんな変わらない。
そんな歳から一国の主か…。
なんか、想像できない。
「でも、苦手ってどうして?」
「……あの雰囲気についていけん」
「…?」
「普通にお優しい方だと思うんですけどね。まぁ、レンとは違うタイプの方かもしれません」
なんだか、会うのが楽しみ。
私たちはこれから、この国の悪魔の状況を聞くため城に向かうのだ。