「君、名前は?」
「おい!」
「平気よ。それに、その子怯えてるじゃない」
威勢よく襲ってきていたのに、よく見ると体が震えている。
こんな大きな男の人たちに囲まれて怖くないわけがないんだ。
「君、名前は?」
「…リク」
「リクくん…。どうしてこんなことするの?」
私が優しく尋ねると、リクは考え込むように黙る。
「お前たちのせいで…母ちゃんが殺されちゃう!」
「え…?」
リクは思い切ったようにそう叫ぶと泣きだした。
私たちのせいで、お母さんが殺される?
それって、どういう……?
「リク、詳しく話せ」
レンは子ども相手でも容赦なく鋭い口調で言い放つ。
もう、リク怯えきってるじゃん。
「ねえ、教えて?この町の人たちが外に出ないのも、関係があるの?」
「……悪魔が来るんだ」
リクは、怯えきった表情でそうつぶやいた。