よし、あたしはなにも言わない。
うん、言わないよ。
あたしが部屋に戻ろうとしたら、後ろからまた叫び声。
「うおぉぉぉい!!!お前らのせいで恥かいたじゃねぇかバカヤローっ!」
思わず振り返ると、エレベーターのとなりにある階段から上ってきたっぽいハゲと同じ制服の男子三人。
「はぁ?叫ぶなうっとぉしい。」
「いやいや、俺らはお前といる時点で恥だから。」
「エレベーターの方が早かったねぇー」
なんだか、冷たい返答のようだけども。
ハゲはまだ叫ぶ。
「お前らの方が先にいると思ってたんだよ!そしたらあの女子がいた!!」
ビシッと指さしされるあたし。
えっ、あたしがわるいの!?
「うちのハゲがすんませんした。」
クールな三人はあたしに謝る。
やっぱあれはハゲだよねー。
「いえ...」
そう言ってそそくさと立ち去ろうとしたときだった。


