さっきバスにのってきた男子校の男の子だった。
おっさんの腕を反対ほうこうにひねり上げていた。

「だ、だい、じょぶ...」

さっきの恐怖からか声はあたしの震えていた。

その騒ぎに咲はやっと気づいて、きょとんとしていた。

「え?なにこのイケメン。羅愛のこと助けたの?」

なんて、のんきなことを...

友達が痴漢にあったんだよ!?
あたしを心配しろよ!!

あっ、お礼言わなきゃ!

「あ、ありがとうございます!!」
思いっきり頭を下げた。

「いや、気づくの遅くてごめん。」