ダイニングバーの個室に充満する香り。

混ざり合う香り。




――――――――――

「へ〜ぇ。ケイちゃんて2年も彼氏いないんだ?」
左側に座る男が言った。


『2年も』って何?
「うん…」


「俺、狙っちゃおっかな〜?」


めんどくさい…勝手に
「どうぞ。」


目の前の男がタバコをふかす。
「ねぇ、何で目そらしてんの?顔ちゃんと見せてよ?」



見たくもないよ別に…
「人見知りなの。」





ナオの付き合いだから仕方なく来た社会人との合コン。







「ね、二人で抜けよっか?俺ケイちゃんの事気に入っちゃった。」
耳元でささやかないで…



タイミング見て先に出てて、と左に座る男。




はいはい。


もうなんでもいいです。