英語の時間が終わると、急に眠気におそわれた。

起きたら、なんともう、下校の時間だった。

「あ、まだ、残ってたのか。早く帰るんだぞ。有村。」
先生に送ってほしーな、なんて思いつつも、「はーい、すぐ帰ります。」
「ふ、嘘だよ。送ってくから、準備しろ。」

きゃー嘘?!先生が送ってくれる?!
夢みたい!

そんなことを、思っていると、早くも職員の駐車場に着いてしまった。
「おーい、有村。これ、俺の車だから、覚えといて。」

「あ、はい」

「有村。助手席に乗ってどーぞ。」
そう言うと、先生は、助手席のドアを開けてくれた。
「ありがとうございます!」
「どういたしまして。」

車に乗ると、沈黙..

先に、沈黙を破ったのは、先生だった。
「あのさぁ、有村。お前好きな人とかいるの?」
「先生こそ好きな人いないんですか?」
「ふ、俺?いるよ。」
え、好きな人いるんだ。残念....
「先生、好きな人いたんですね。私も好きな人いますけど、もう叶いません。」

「もう、泣かないでよ。俺の好きな人は有村だよ。だから、泣くなよ。」
「え?嘘、先生こんな私が好きなんですか?」
「うん、そうだよ。だけど、有村はだれよりもかわいいよ。」
そんなこと、はじめて言われた。
「先生、こんな、私ですが、よろしくお願いします。」
「こちらこそ、よろしく。あと、俺といる時は名前で呼ぶこと。俺も七海って呼ぶからさ。」
「はい、英甫。」
「七海、家この辺?」
「うん、この辺で大丈夫。誰かに見つかったら、大変だしね。」
「そっか、じゃあな。また、明日。」
「英甫、また明日。」

私は、少し微笑んでから、家へと帰った。