3月29日14:12



雪が非番で自室に籠り、パソコンで事件

についての情報を集中して見ていると、

花梨が、部屋にゆっくりと入って来てい

た。



「おーい! 雪さん!」



「わっ! ビックリさすなよー。

花梨! 心臓が飛び出るか思ったわ」



「また集中してるんだから! 気づいて

よね!」



「ごめんごめん。あっ……もうこんな時間

かぁー。集中しすぎてたみたいだな……」



「もうっ! それより……もしかして、忘

れてる?」



「ん? なにを?」



「やっぱり……」



花梨は苦笑いしながら、雪を優しく見つ

めていたのだ。