救急現場には男女問わず、さまざまな者

達の家族や友人が、見守り泣き叫ぶ中処

置を行う雪の姿が見てとれた。



「助けてあげて……」



「お願い……」



「早くどうにかしてよ!」



そういった言葉を、よく現場では耳にす

る。

しかし、それが叶わなかった時、

自分自身の力不足に嘆き、全身の力が

入らない迄に落胆する時もある。



そう、救急現場とはそういうものだ。



緊迫した空気をまとい、

生きるか死ぬかの瀬戸際の者達。

それを見守る家族や友人。


少しの気の緩みも許されない場所。



普段はそこまで緊迫した現場は数えるほ

どかもしれない。




しかし、先日の放送から今日にかけて、

あまりにもその緊迫した空気感は、一気

に膨れ上がってしまっているのである。