署内で待機していた雪は、一人寂しげに

呟いていたのだ。



「あの赤ん坊は、この先いったいどうな

るんだよ……

早くこんな悲劇が繰り返さない、前の日

常に戻ってほしい……」



隣には隊長がその雪の呟きを聞き、話し

ていた。



「あの赤ん坊か……今後は現場にいた両親

が面倒を見ることになるのだろうな。

可愛そうにな。親がいなく育つことにな

るのだから」



隊長のその話に自分を重ね合わせ、胸が

締め付けられる思いで、雪はうつむいて

いるしかなかった。