雪は、この街が好きだった。

優しい風が吹き、心地よい音が辺りには

聞こえる。



そしてなにより、彼女との住んでいる距

離が近かった。



普段、緊迫した雰囲気の職場にいること

もあり、リラックスするのは雪にとって

は大事な事の1つでもある。



常に緊迫した気持ちでは、心が用量を超

えて破裂してしまう。



ましてや、常に人の危機的な状況、生死

に関わる状況を目の当たりにする仕事な

だけに、リラックスを取る時間は、なお

さら必要不可欠なのだ。




人には、それぞれリラックスの方法があ

るのだろう。


美味しい食事。

快適な睡眠。

ショッピング。

他にもたくさんあるだろう。

美しい景色を見たり、ゲームをしたり、

友達と遊んだりと。



雪がリラックスを感じる時は、恋人と一

緒にいる時間。

それさえあれば、他には何も必要はなく

雪は感じていたのだ。



そんな日が永遠にあるものだと、雪は当

たり前のように疑う余地もなかった。



それほど、雪は普段の日常に満足感を持

っていたのだ。