「あと少ししか時間ないや……

こんなとき、何をすればいいんだろ……

何を伝えればいいんだろう……

こんな日が来るなんて……思いもしなかっ

たから……

ずっとずっと一緒にいたかった。

ずっとずっと側で見つめていたかった……

ずっとずっとずっと! 隣で花梨の笑顔

を見ていたかった……

でも、今が……この時間が……

最後になるんだよね……




長い間、いつも側にいてくれて、

ありがとう……花梨……」






「雪さん……うち、なんてバカなことして

たんだろうね……取り返しのつかないこと

ばかり……

憎しみや辛さに心取られて……

全ての人間を敵にして……」




「花梨……それが最後に気付いだけで、

もういいよ。あとは俺がやれることを

するから!」



「どういうこと?  雪さん?」



「今はそんな話は、やめよ!

時間がないよ……もう……」




「雪さん……こんなうちでも、まだ

好きでいてくれてる……?

もう嫌いになっちゃったかな……」



「変わらないよ。俺はずっと。

ずっとずっと!

花梨が大好きやよ! 

この先もずっと 愛してるよ!」