あなたには聞こえますか…………

そしていま、一年が経ち雪は現実を

見つめ直し、蓋をして深く沈めた過去を

取りだし開き出していたんだ。


「花梨はあのとき死んだんだよな……

現実を見なくちゃ……

いけないんだよな……


そして今日が本当に最後なら……

会えるのが最後なら……


もう逃げちゃダメだよな……

最後に後悔はしたくない……から……」



雪は、花梨が最後に必ず会いに来てくれ

ると信じていた。