2月13日12:14


あの日から雪は、花梨の姿を見ることは

なく、会っていないたった数日間がとて

も長く感じられていたのだ。



そして、雪は一人自宅で座り込み、

花梨の入った骨壺を見ていた。




(実感した孤独)

(またよみがえった離縁)

(何より愛する者を失った恐怖)



雪の携帯には、あれ以来電話が頻繁に鳴

っていた。仕事場からの電話であろう。

しかし、雪がその電話を取ることは一度

もなかった。


何をするにも空虚と化し、そんな余裕す

らない心の状態だったのだ。



雪は仕事には行かずあれからずっと、部

屋でその孤独と向き合っている。




花梨との優しい想い出や、笑いあった記

憶を思い出しながら。