涙を流して抱き締める雪がそこにはいた。


「なぁ、花梨。

でも、もうやめよう……


花梨の母親は俺も許せないよ……

そんな悲しい心の人間は……



それにたくさんいるよ……

口だけで生きてる人間なんか……

自分さえ良ければいい人間なんか……

人の想いを軽はずみに考えてる人間なん

か……


それが花梨は許せなかったんだよね。

俺も同じだよ……許したくないよ……

そんな人間なんか……



でも、やめよう……

これ以上、そんな人間を消して行くのは

やめよう……

そんな人間でも家族は、いるから……





それに。


ただ俺は……


そんな花梨を、見たくないから……



ね……花梨。


また笑ってよ……花梨」