「あの警察の方、感じ悪いですね……

遺体の前であんな言い方……」



車内で雪は隊長に話しかけていた。



「あれ。亀城くんは会ったことなかった

のか。よく現場では見る刑事やけどな。

俺も以前、アイツには散々言われた事が

あるわ。まぁよくいるような、やな奴っ

てやつや……気にするな」



「有名でしたか……

あの警察の人もですが、あの彼氏……

亡くなった恋人を目の前にして、自分を

かばうことばかりなのが、信じられませ

んでしたが……

寂しい心を見た気がします……」



「確かにそうだな。亡くなった方があの

世でお怒りになってらっしゃるだろう」



「ほんとに……」



自分の恋人がそういった心無き人だと、

辛いだろうと雪は、ぼんやりと考えて

いた。