あなたには聞こえますか…………

その頃、小さな住宅の中では、みさとが

ベッドに横になり、楽しそうに本を読ん

でいた。




親友のゆりが亡くなり、

昨年の大規模な惨事では、彼氏の拓也を

亡くしていた。




しかし、涙を出すことはなく、淡々と普

段通りの生活をしている。



両親が過去に死んだあとに、この小さい

ながらも、みさとには快適な家に住み続

け月日は長く流れていた。



「あーあ、退屈だな……

カッコいいメンズ出てこーい!

あ。もうみんな死んじゃってたりして。

キャハハ

もったいないなぁ」



みさとは一人高々と笑いながら、また自

分の有意義な時間を楽しむ為、笑いなが

ら本を読み出していた。