義信は3度目となる研究施設に足を踏み

入れていた。



(情報が出てますように)



その義信の願いも虚しく、過去の個人情

報は出てくることはなかった。



「もうかなり前の情報だしのう。

在籍しておるものは分かるんじゃが。

いなくなったものは、破棄しておるみた

いやの」



「そうですか……」



「まぁ、あやつが犯人とは考えにくいが

の。優しい性格だったように覚えておる

からの。まぁ過去の話じゃが」



「その方と他に親しかった方はいらっし

ゃらないのですか?」



「んー。それは分からぬが、当時のここ

の所長なら知ってるかもな。

もうだいぶ歳も重ねただろうし、

今はどうなっとるかは分からぬがの」



その方の当時の連絡先を聞き、

義信は研究施設を後にしていた。