「…………」



これには雪も返す言葉が、すぐには浮か

ばなかった。

目元が花梨に似ているのか……

しかし今頃になって何故。

花梨を置き去りにしたあの火災から、長

くの月日が流れたはずだ。



亡くなった父親とは離婚したとは聞いて

いたが母親でありながら、一人になった

花梨を引き取ることもせず、仕送りもま

ったくせずにいた母親。




雪は激しい怒りを覚えていた。