雪は、勤務先からの帰り道、普段よりた

くさんの人達を見かけていた。



同じくして、笑い声や、多くの笑顔も街

では見ることが出来る。



普段の帰り道では、

通勤のラッシュ時間も過ぎ去り、人通り

もまばらなだけに、今見ている光景は新

鮮でもあったのだ。



「あ。そうか。世間は週末の休みか……」




不規則な勤務体制の為に、週末などは関

係なく、街の光景を羨ましくも感じなが

らも、眠たく閉じそうな目を必死に堪え

つつ家路に急いでいた。




そして、雪の耳に聞こえてくる街からの

子供達の笑い声が、

【逆子守唄】のように心地が良くて、眠

気を増長して行くのだ。