3月4日19:01



急ぎ足で帰宅に向かうゆりは、今晩の夕

食を考えていた。



(もうこんな時間かぁ。

作る時間は厳しいし、なにか出来上がっ

た物でも買って帰ろうかな。

親から食事のお金もらったしなぁ。

みさとも言ってたけど……拓也に最近、電

話してないよなぁ。

最初はあんなにラブラブだったけど……

やっぱり気になる人が出来ると、覚めて

きちゃうよねー! 

まぁそんなもんか……)



そんなことを考えながら、ゆりは家路に

急いでいたのだ。



「ただいまぁ」



「もうっ、お姉ちゃん遅い!

お腹ペコペコだよ! まったくぅ!」



「ごめんごめん。帰りに買ってきたよ!

じゃぁーん! 美歌の好きなお寿司ー!

どうだっ!」



「うわー! やったぁ! だからお姉ちゃ

んって大好き!」



「なにそれー! お寿司買ったから、

大好きなのー?」



美歌(15歳、中学生)は跳び跳ねて喜ん

でいた。







この日が二人が話す事の出来る運命の境

目だとも知らず。