11月10日14:50


街が混乱の様を写し出している最中、そ

の悲しみには気にも止めずに、街にヘッ

ドフォンをつけ、音楽を聴きながら歩く

一人の女性の姿があった。



厚塗りの化粧をし、洋服は目一杯お金を

かけたようなお洒落をし、街を我が物顔

で歩く。

それは、高原 みさとの姿だった。



大規模な事件があってからというもの、

昼にも関わらず街はひっそりと静まり

帰っていた。



特に目に付くのは、娯楽施設の自粛であ

る。



人々の集まる施設が、狙われていたこと

もあり減少傾向ではあったが、先日の大

規模な事件が決定打となってしまってい

たのである。



大半が一時休業や閉店の案内が、店先に

は寂しげに貼られていた。

店の店主達の苦渋の判断であったのだろ

う。

それに加え、店主達が亡くなった店も多

数あるのだ。

街が街として呼ぶにはあまりにも、閑散

とした雰囲気に変わってしまっていた。